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そうきょくまく

【製品概要】

双極膜は、通常、陰イオン交換層と陽イオン交換層が積層されて構成される複合型イオン交換膜です

 

【基本原理】

双極膜の両側に電圧を印加すると(陰イオン交換膜側が陽極、陽イオン交換膜側が陰極に向くように配置)、陰陽両膜の界面(複合層)で水(H₂O)が解離し、水酸化物イオン(OH⁻)と水素イオン(H⁺)を生成します。生成したこれらのイオンは、それぞれ陰イオン交換膜、陽イオン交換膜を透過し、H⁺およびOH⁻のイオン源として機能します。

【製品仕様】
モデル BPX
機械的強度
含水量(%) 20~30
湿潤時厚さ(mm) 0.15~0.25
膜間電圧(V) <2
サイズ ご要求に応じてカスタマイズ
【製品の強み】
  • 生成アルカリ濃度を50%向上。

    高いシステム互換性各種イオン交換膜との組み合わせが可能で、目的に応じた濃度調整と選択的な適用を実現。
  • 低エネルギー消費

    プロセス全体の省エネの中核として、運転コストを大幅に削減。
  • 優れた機械的強度

    技術の自立化とサプライチェーンの安全性を確保。
  • 長寿命設計

    工業用途における安定性と耐久性を保証。
【水質条件】
【応用分野】
  • 化学工業と環境保護産業
    有機酸の生産と回収(資源化):発酵法による有機酸(乳酸、グルコン酸、アミノ酸、クエン酸など)の生産過程では、対応する有機酸塩(乳酸ナトリウムなど)が生成されます。双極膜はこれらの有機酸塩を直接、純粋な有機酸(乳酸など)とアルカリ(NaOH)に変換します。生成したアルカリは発酵工程のpH調整に再利用可能で、酸の再生とアルカリの循環利用を実現します。これにより硫酸カルシウム廃渣の発生を根源で防止し、汚染とコストを大幅に削減します。

    排ガス吸収液の再生:工工場・発電所などではアルカリ液(NaOHなど)を用いて排煙中の酸性ガス(SO₂、CO₂、H₂Sなど)を吸収し、硫酸ナトリウム・炭酸ナトリウムなどの廃液を生成します。双極膜はこれらの廃塩液を希酸と新鮮なアルカリ液(NaOH)に再生します。再生したアルカリ液は排ガス吸収に循環利用でき、吸収剤の再生により運転コストと処理難度を大幅に低減します。

    廃水の「ゼロエミッション」処理:石炭化学工業・製薬業界などで発生する高塩分廃水は、従来の蒸発結晶法ではコストが高く、雑塩の有害廃棄物が発生します。双極膜は廃水中の混合塩(NaCl、Na₂SO₄など)を対応する酸(HCl)とアルカリ(NaOH)に変換します。生成した酸とアルカリは生産工程のpH調整その他プロセスに再利用でき、塩の資源化と廃水の「ゼロエミッション」を実現します。
  • 食品・飲料業界
    果汁の酸度調整:過剰な酸度を持つ果汁(柑橘類など)は脱酸が必要であり、一部の果汁は風味や保存性向上のために酸添加を要します。双極膜は果汁中のクエン酸を選択的に除去(アルカリ性果汁を生成)、または外部イオンを導入せずに直接水素イオン(H⁺)を添加することが可能です。これにより果汁の天然の風味と品質を最大限に保持しつつ、所望の酸度調整を実現します。
  • バイオテクノロジー・医薬品業界
    酵素・抗生物質の分離精製:多くの生物由来製品(タンパク質、酵素、抗生物質など)は等電点付近で最高の安定性を示すか、沈殿分離が容易となる特性があります。双極膜システムでは、その場で水素イオン(H⁺)または水酸化物イオン(OH⁻)を発生させることで、反応系のpHを極めて精密かつ穏やかに制御可能です。これにより局部の過剰な酸性/塩基性化による製品の不活性化を防止し、回収率と製品品質を大幅に向上させます。
  • エネルギー分野
    液流電池:新型のpH差液流電池において、双極膜は中核となる構成要素です。このシステムは、異なるpH溶液間のプロトン濃度差を利用して発電を行います。双極膜はここで、pH勾配を維持し、電解質の交差混合を防止するという重要な役割を果たします。

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